箱根 8 星野リゾート 界 仙石原 - Hoshino Resorts KAI Sengokuhara
ススキが揺れる高原の温泉地「仙石原」は名だたる美術館が目白押しのアートエリアでもある。
“アトリエ温泉旅館”をコンセプトにした「界 仙石原」にはアートに浸って、心と身体を潤す体験が待っている。
金時山の裾野に広がる 自然豊かな仙石原
箱根には、「彫刻の森美術館」「ポーラ美術館」「箱根ラリック美術館」「箱根ガラスの森美術館」など個性的で見どころあふれる美術館が点在している。その多くがある仙石原は、言わずと知れたアートエリアでもある。
星野リゾートの温泉旅館「界 箱根」に続き、二〇一八年に開業した「界 仙石原」は、アートと温泉をテーマにした宿泊施設。開業前には、国内外から選ばれたアーティスト一二名が「界 仙石原」に滞在し、作品を制作する「アーティスト イン レジデンス 箱根仙石原」が実施され、箱根から得たインスピレーションから作品を制作。地域の子ども達とのワークショップも行い、アートを通した交流を行った。この時に制作された作品は、「仙石原アトリエの間」にそれぞれ展示されている。客室ごとに作品が異なり、アーティストの筆使いを間近に見て感じられるのも魅力的。大きな窓から見える山や緑の景色と、アート作品と作家物のガラスのランプシェードが映し出す趣が相まって、部屋ごとギャラリーのようだ。
館内もアートで表現した作品が展示されている。エントランスでは、壁一面に仙石原の自然を表現した土壁が出迎えてくれる。これは、左官職人として数々の建築を手がけている久住有生氏が手がけた作品。エントランス温泉棟、本館、別館からなる随所に趣向を凝らしたしつらえで、アート巡りも楽しめる。
「界」と言えば、それぞれの立地にちなんだ歴史や風物詩などをテーマにした「ご当地楽」に力を入れている。仙石原では、「自身の内なる表現欲を体現する」をテーマに、アトリエライブラリーでの座学や、手ぬぐいの絵付け・色付け体験ができる。絵が描けなくても、あらかじめデザインされた中から好きな図柄を選んで、塗り絵感覚で色付けをするだけなので心配ない。箱根の宿場町や仙石原をイメージした野鳥や草花といった図柄は、型染作家・小倉充子氏の作品で、誰でも簡単に“ご当地のアート作品”が出来上がる。
周辺は、台ヶ岳の麓一帯に広がるススキの群生地。自然に触れて、アートに囲まれる時間は、心のスケッチブックに美しい思い出を刻んでくれることだろう。
2019年12月19日 14時44分 - Hiroko Nakano タグ: #箱根