発見から1200年以上! 箱根温泉の歴史を知る
湯治場から温泉宿へ
箱根温泉の歴史は奈良時代に始まった。七五七年に修験道の僧で加賀国白山の開創者である泰澄の弟子浄定坊が箱根湯本の温泉を発見したと伝えられている。箱根温泉は、湯本温泉から始まり、芦ノ湯、底倉、堂ヶ島、木賀、宮ノ下と次々に開湯して、一六〇五年に塔ノ沢に温泉が発見され、江戸時代に「箱根七湯」と呼ばれるようになった。
当時の温泉地は湯治場であり、療養目的で七日単位での滞在しか許可されていなかった。一六四四年には皇室や将軍への献上湯が始まり、江戸城まで温泉を運んでいたとの記録がある。この時代、温泉は時の権力者や療養目的の人など、限られた人のみが利用できるものだったのだ。今のような一夜湯治が許可されたのは一八〇五年のことで、これを境に、誰でも気軽に温泉に入れるようになり、箱根温泉は江戸の人たちの人気スポットとなったのだ。
2019年12月19日 14時56分 - Yukiko Kawai タグ: #箱根